長谷川果樹園 園主
長谷川英昭さん
ブランド力を高めることと、もっと広く知ってもらうことでル レクチエはより発展できると思っています。
芳醇な香りと甘み、なめらかな 口当たりが特徴のル レクチエ。最 近では贈答用として認知されつつ あるが、その歴史は意外に古い。
「明治36年頃に梨農家の小池左与吉さ んが、36品種の西洋梨をロシアか ら持ち帰った。その中にル レクチ エがあったんです。昔は『ル レクチエ』なんて名前じゃなく『ろくち ん』って呼んでましたね(笑)。食べたら美味しいもんだから、みん な庭や畑の隅に自家用として1本 ばかり植えていたもんですよ」と 教えてくれたのは、県内で最初に ル レクチエの販売をスタートさせ た果樹農家の長谷川さん。
しかし、 上手く実ができないことが多かっ たため、販売しようと思う人はい なかったそう。「誰も売ろうなんて 考えていなかったル レクチエです が、新潟の果樹振興会の朝妻先生 という方がとても気に入ってくだ さり、熱心に販売を勧められたの で、仲間と11人ほどで『西洋梨研 究会』を立ち上げたんです」。多く の失敗や試行錯誤を繰り返し、発足から4年経った昭和60年、初めて東京に出荷。キロ4千円の高値 で売れました。
美味しく仕上げる ためには栽培と追熟の技術がどち らも重要だそうで「栽培は、とに かく健康な木を作ること。それは土作りから始まり、常に木の状態 に気を配ることですね。木が元気 であればおのずといい実が獲れる。うちの果樹園では100歳を超え ても現役で実をつける木だってあるんです。
いい実ができたら追熟で仕上げる。実によって熟期が早 いものと遅いものがあるのでそれ を判断し、温度や湿度に気を配りながら、仕上がりを揃えて出荷し ています」。しかし、ル レクチエを 作る農家が増えた昨今、品質の差 が目立つのが現状。
ブランド力を 高めるには、いいものだけを出荷することと、農家ひとりひとりの意識の向上が大切だとか。「いいものを作るのはもちろん、東京だけではなく、関西や九州など、より広く全国へ流通させること。また、新潟の人は贈答用での利用が多く、実際は食べる機会が少ないので、 県内の人に食べてもらうことも重要。このあたりはこれからの若手に期待ですね」。
長谷川さんが手間暇かけて、高品質なル レクチエは贈答用として大人気の逸品
☆今が旬、長谷川果樹園の高品質なル レクチエ!ご購入お問い合わせ先
→食の陣事務局 TEL:025-222-6667(月曜~金曜・午前9時~午後5時)
メール:niigata@shokuno-jin.com
長谷川英昭プロフィール
農業高校を卒業後、実家の農業に就く。
梨の栽培には25歳頃から携わり、ル レクチエをはじめ多数の和梨を栽培している